ブラッドボーンの元ネタ!?実在した人狼「ジェボーダンの獣」

事件
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人狼というゲームがある。

村人に化けた狼を騙し合いの末に見つけ出すTRPGだ。有名なゲームであるために日本人であれば聞いたことくらいはあると思う。

しかし、この人狼が現実世界で起こった事件はご存知だろうか?

事件名を「ジェボーダンの獣」

『世界三大獣害事件』の一つに数えられる奇妙にして最悪な史実をご紹介しよう。

犠牲者約100名

1764年~1767年にフランスのジェボーダン地方で発生した事件。

正体不明の謎の獣が突如として人を襲い続け、約100名の人間を殺害したという衝撃的な事件だ。日本最大の獣害事件である「三毛別樋熊事件」の死者が7名であることを考えるととんでもない被害数であることがわかる。

牛飼いの女性を襲った謎の獣

出典:ウイキペディア

始めの犠牲者は牛の見張りをしていた女性だった。

仕事中に突如として現れた獣に襲われて体中に深手を負ってしまう。幸いにも飼っていた無数の牛たちが騒ぎ立てたことで獣が逃げて一命をとりとめた。

女性の傷跡から狼の仕業であると思った村人たちであったが、女性はそれを頑なに否定した。

「あれは狼ではない。化け物だ。」

〇獣の特徴

  • 全身を覆う赤い体毛
  • 牛に匹敵する巨躯
  • 狼よりも大きく鋭い犬歯と鉤爪
  • 背中の縞模様
  • ライオンのように長く曲がった尻尾と分厚い毛皮

人間だけを標的にした

二度目の事件は最初の事件発生場所から10キロ程離れた場所で起こった。

犠牲者は年端も行かない少女。今度は内臓を喰われて完全に息の根が止まった状態で発見された。

獣が人間を襲う時は必要に迫られてか、或いは人間の味を覚えたことによって本能から襲うかのいずれかだ。

しかしジェボーダンの獣は「一人目から自らの意志で狩っていた」

通常の野生の動物ではまずありえない。

しかも獣は殺した人の肉を食べないこともあったため、本能である「食欲」のためでなく「殺し」そのものを目的として行動していたとも考えられる。

さらに獣は牛や馬などを一切襲うことなく、どんな時でも人間のみを襲ったと記録されている。

エージェントたま
エージェントたま

獣の狩りには特徴があって「獲物の頭を頭蓋骨ごと噛み砕く」という先制攻撃を主に使用していたらしい。

銃撃するも殺せない

その事件を皮切りに次々と犠牲者を増やしていく獣。

常軌を逸した俊敏さを誇る獣は神出鬼没で、

ある村で人を襲った後の1時間以内で50キロも離れた村でも人を襲った。

〇猟師との邂逅

ある日銃を持った猟師が森中で獣とばったりと出くわし、持っていた銃で獣の胸を狙撃した。

銃弾は命中し、獣は森へ逃げて行ったが数日後には再び現れて人を襲った。

フランス王ルイ15世による討伐

事件の噂はフランス王ルイ15世の耳にも届いた。

村の勇気ある少年たちが策を労して獣を一度だけ獣を追い払った際には彼らを称え、この一件を大々的に公表して「獣を討伐する」ことを約束した。

世間に獣の悪名を広げたルイ15世は「その獣を討ち取ることで自身の名声を高められる」と考えたのだ。

エージェントたま
エージェントたま

王の力が借りられるとなって民衆たちは沸き立った。獣狩りの夜の始まりだ。

狼狩りの猟犬ブラッドハウンド

ルイ15世が最初に差し向けたのは狼狩りの専門家「ダンヌヴァル父子」だ。

ダンヌヴァル父子は対狼狩り専用のブラッドハウンドという猟犬を8頭引き連れて山中へと踏み入った。

しかし結局獣を見つけることはできず、索敵の最中も獣は村を襲い続けていたのだった。

エージェントたま
エージェントたま

名前からしてめっちゃ強そうなブラッドハウンドはベルギー原産の大型犬だよ。「魔法の嗅覚」と呼ばれるほどの鋭い嗅覚を持っていて警察犬にもなっているよ。

竜騎兵の出兵

次に差し向けられたのはフランス軍が誇る「竜騎兵」55名だった。

ドラゴンの名を冠する精鋭部隊の登場にフランス全土は歓声を上げた。

ちーバニー
ちーバニー

おおう……王様も本気だね。討伐すると宣言した手前名誉にかかわるもんね。

竜騎兵は軍用場に跨りマスケット銃を装備しており、まさに完璧ともいえる準備の元狩りを実行した。

ただ一つ……狼狩りの知識のある者が誰もいなかったという1点を除いて。

ちーバニー
ちーバニー

……ん?

狼に関しては全くの素人であった竜騎兵たちは、戦場同様に銅鑼を鳴らしながら山へと入ったため、完全に警戒されて獣を見ることすらかなわなくなった。

ちーバニー
ちーバニー

流れ変わったな……。

〇2万人の導入

怒った王はたった1匹の獣のために2万もの軍隊を派遣。数の力で獣の発見に成功し銃撃に成功するも、山中の知識が乏しかったために追跡できず取り逃がしてしまう。

女装作戦

「獣の被害者は女子供が多い」という性質を利用しようと考えたフランス軍は

「女装作戦」を考案する。

獣をおびき寄せるために大真面目に実行したものの、結局獣が現れることはなく、その後も進展はないまま2万人の軍隊は討伐を諦めた。

エージェントたま
エージェントたま

獣が女装を見抜いていたのかいなかったのかはわからないけどね。

ちーバニー
ちーバニー

何も改善していないのにコメディ色だけ強くなったな。

仕留められた巨大な狼

ボーテルンという名の狙撃の名手が巨大な狼を仕留めた。

狼は通常の物よりも明らかに大きい個体であったため、「ついに獣を倒した」と村人は沸き立ち、ルイ15世も世間に堂々と公表した。

かくしてジェボーダンの獣は倒されたことでルイ15世の名声も確かな物となり、村にも一時の平穏が訪れた。

悪夢は終わらない

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獣が倒されて3か月、安心した村人たちは以前の生活を取り戻した。子供にも気軽に仕事を任せられるようになったわけだが、事件はとある二人の少年が森近くの小屋に出向いた時に起こった。

突如現れた獣が一方の少年の頭部に食らいつくと森の中へと引きづりこんだのだ。

残されたもう一方の少年は恐ろしさのあまり動くことができずその光景を呆然と眺めていたそうだ。

そして気が付く

その獣の纏う赤い体毛と背中の縞模様に。

エージェントたま
エージェントたま

討伐した狼の体毛は赤くなかった。もちろん背中に縞模様もない。しかしルイ15世は討伐したと宣言したのさ。

そして討伐したのだからもう現れるはずはない。……たとえ誰かが襲われたとしてもそれはジェボーダンの獣ではないとして、情報を遮断した。

ちーバニー
ちーバニー

はいでました。王様ってのは信じるに値しないよね本当に。

獣は神からの天罰

国からの助けを得られなくなった村人たちはキリスト教に助けを求めた。

しかし教会の神父は

「獣は神が人間へ罰を与えるために遣わしたものだ。教会ではどうすることもできない。天罰を甘んじて受け入れろ。」

と告げると一切手を貸すことはなかった。

エージェントたま
エージェントたま

当時のジェボーダンはカトリックとプロテスタントの勢力が入り乱れていたため、教会としても下手な手出しはできなかった。だからこそ突き放したのさ。

見放された領民

「自分の身は自分で守るしかない」…そう考えた村人たちであったが、

「武器の所持を許可すれば反乱の原因になる」として

武器の携帯を許可されることはなく、ただただ殺されるのを待つ日々を送ることになってしまった。

エージェントたま
エージェントたま

ジェボーダン地方の人々は裕福ではなかったからね。獣が出るからと言って仕事を休むことなんてできなかったし、女子供も労働力だった。

危険を避ける方法なんて存在しなかったんだよ。

聖女マリ・ジャンヌ・バレ

襲われた者の中で唯一獣の撃退に成功した「マリ・ジャンヌ・バレ」という女性がいた。

全てから見放された村人たちは彼女を「聖女ジャンヌダルク」になぞらえて救いを求めるようになった。いうなれば「信じる者は救われる」作戦である。

しかし現実は残酷で、祈りを捧げるミサの最中であっても獣は村を襲い続け、最早正確な数字がわからない程の被害者を出していた。

奇跡の男「ジャン・シャストル」

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1767年。「ジャン・シャストル」という名の地元の猟師がジェボーダンの獣を討伐した。

ジャン・シャストルは聖書を持って山中に座り込むと神への祈りを捧げた。すると幾らかの時間が経った後に獣が姿を現し、ジャンはそこを銃撃し倒したそうだ。

ちーバニー
ちーバニー

……は?

エージェントたま
エージェントたま

ジャンに同行した者が誰もいなかったことから、実際にジャンが何をしていたかはわかっていない。

ただ、この日を境に獣が現れることは永遠になかったそうだ。

終息と残る疑惑

あっけない幕引きに世間では様々な推測が流れるようになった。「実はジャンが獣を操っていたのではないか?」という疑惑だ。

飼育し、訓練した獣に人を襲わせて、最後は自分で殺すことで名声を得る。

実際ジャンは英雄として称えられ、その生涯を終えた。

だがもしもジャンが操っていたのだとしたら、村人の中に人狼が混ざっていたと同じことだ。違いがあるとすれば一つだけ、人狼側が一方的に村人を殺戮するゲームであったという点だけだ。

人間の戦争によって生み出された怪物

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これは獣が野生であったと仮定した場合の話だ。

一人目を襲う以前から獣は人の味を知っていた。……という説がある。

これは当時のヨーロッパで度々起こっていたカトリックとプロテスタントの宗教戦争によって、

生態系が壊れた動物たちが人里へと食料を求めて降りてくるようになったり、

川や森へと捨てられた人の死体を動物たちが貪るようになったことが原因だったのではないかとも言われている。

エージェントたま
エージェントたま

戦争で出た人の死体を食べて生活していた獣の子孫だったとしたら……。

正体は!?

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  • 異常発達した狼説
  • ハイエナ説
  • 犬と狼の交配種説
  • クマ説
  • 絶滅種説
  • 神罰または魔女の手先説

狼の得意個体であるというのが最も有力な説ではあるが、死体が見つからなかったことで正体は以前不明のままだ。

ただ狼は集団で狩りを行う性質があるため、常に一匹で行動していた獣に当てはまるかと言われると違う。ハイエナは頭部に噛みつくし背中に縞模様がある種類がいるが、体は小さい。クマは特徴が一致していないように思う。

個人的には何かの雑種であったのではないかと思っている。幾つかの動物のハイブリッドであったと考えるとそんな見た目にもなるような気がするからだ。

エージェントたま
エージェントたま

絶滅種や神罰とかだったらオカルト感でてくるね。

こわい事件ではあるけれど、興味を持つ人も沢山いる。

例えばゲーム「ブラッドボーン」なんかは思いっきりこれが元ネタだね。

映画を見てみるとわかるけど、服装とか瓜二つだから。

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