朝鮮半島が北と南に分断されたお話です。
小学生でもわかるように朝鮮半島がどこにあるのかからお話します。
細かい部分は飛ばしていたりもするのであしからず。
朝鮮半島ってどこ?
朝鮮半島とは日本の北側の海である日本海を挟んで対岸に位置する突き出した部分のことです。
現在は「韓国」と「北朝鮮」という二つの国が北と南に分かれて統治しています。
と言っても昔は韓国も北朝鮮も一つ「朝鮮」という国であり、それぞれの国を治めているのも「朝鮮人」という人種です。
しかし世界中の大国同士の思惑によって分断された両国は現在、敵対関係にあります。
同じ民族なのに憎み合っているのはなぜだろうね?
戦争は他国にしてもらえ
読者の方々に質問ですが、「戦争」ってしたいと思いますか?
……おそらくは多くの方が「戦争なんて嫌だ」と答えたかと思います。
これは世界中の人々や国にとっても同じです。
戦争によって失われる「自国の資源、自国の人、自分や身内の危険、世界からの非難…」などなどその他にも色々なマイナス要素が考えられます。
しかしです。
戦争に勝利することで得られるものがあるのは確かです。
さらには敵対国に戦争をさせることで、疲弊させることができるのも魅力的です。
ではどうしたら「自分たちが戦わずして旨味だけを得られるのか?」
簡単です。
自分たちの代わりに他の国に戦争をしてもらえばいいのです。
自分さえよければ良いっていうのは、人間の本質なのかもしれないね。
バッファーゾーンという考え方
バッファーゾーンとは「自国での戦争を避けるために、代わりに戦場になってもらう国」のことです。
- 自分たちが戦争をするわけではないので資源を略奪されることもない。
- 人材を失うことも少ない。
- 戦争させている国に武器を売れば儲かる。
- 応援していた側の国が勝てば旨味を得られる。
バッファーゾーンを使った戦争には、だいたいこんな利点があります。
こうやって自国の代わりに他国に戦争をさせることを「代理戦争」って言うんだ。
アメリカは世界各地で代理戦争を起こして、そこに武器を売ることで儲けているよ。
ロシア(旧ソ連)のバッファーゾーンは世界一
このバッファーゾーンを世界一持っている国は「ロシア(旧ソ連)」です。
理由はソ連が世界一多くの国家と隣り合わせている国であり、周りの国々と一斉に戦争をしてしまうと負けてしまうからです。
だからこそ周りの国とは仲良く(傀儡として)しておきたい。という思惑があるのです。
そしてロシアが朝鮮を欲しがる最大の理由もバッファーゾーンなのですが、それ以外にも以下のような理由があります。
〇ロシア(旧ソ連)が朝鮮を欲しがる理由
- 他国との緩衝地帯(バッファーゾーン)にしたい
- 共産主義の国家を増やして勢力を増大させたい
- 海へのアクセスがほしい
とまぁ幾つかお話しましたが、
ここではとりあえず「ロシアはバッファーゾーンとして朝鮮が欲しい」ということだけ覚えてください。
アメリカも朝鮮が欲しい
ロシア以外にも朝鮮が欲しいと思った大国がありました。
そう、アメリカです。
冷戦時代のソ連とアメリカの仲の悪さは半端ではありません。相手の嫌がることのためならお互い命を懸けていました。
つまり「ソ連が朝鮮を欲しがっている?やるわけないだろーが!」となります。
〇アメリカが挑戦を欲しがる理由まとめ
- ロシアの利点になることは認めない(バッファーゾーンを作らせない)
- ロシアの利点になることは認めない(共産主義を拡大させたくない)
- ロシアの利点になることは認めない(海へのアクセス権を与えたくない)
- 資本主義勢力を拡大したい
- 日本はロシアや中国とアメリカとの最後の壁となっている国だから、極力危険に晒したくはない。(米軍基地もあるし)
いやぁ……性格わるいですねぇ。
嫌がらせに命かけてやがる……!
ソ連とアメリカの朝鮮分割統治
戦後、日本の領土であった朝鮮半島はソ連とアメリカによって南北に分割統治されました。
この時、ソ連はまず「金日成(キムウィルソン)」という朝鮮人を英雄化させて国のトップに据えます。
ロシアに近い北側の「金日成」ロシア派閥率いる朝鮮民主主義人民共和国が
対して南側は「李承晩(イスンバン)」アメリカ派閥率いる大韓民国が
爆誕しました。
金日成を英雄化させる経緯とかも面白いんだけど、そこまで説明すると長くなりすぎるので割愛するよ。
朝鮮戦争は勘違いで起こった
アメリカ国務長官の「アチソン」という人物が世界に向けて
「不後退防衛線」というものを示しました。
〇不後退防衛線
この土地だけは絶対に譲らないという最低ラインの領土や味方諸国のこと
しかしこれには「大韓民国」が含まれていませんでした。
アチソンとしてはあくまで「最低限」という意味で出しただけだったのですが、これを拡大解釈したスターリンという男がいました。
〇朝鮮戦争勃発
「アメリカ介入の可能性は低い」と判断したソ連のトップ「スターリン」は「金日成」に朝鮮統一の指示を出します。
これが「朝鮮戦争」の始まりです。
しかし北側派閥の奇襲という形で始まった戦争は、北側の優勢で始まります。
質も量もなにもかも、北朝鮮の方が韓国より優れていたためとされています。
南へ南へと追いやられていく南側派閥は、最終的に「釜山(プサン)」という最南端の都市まで後退を余儀なくされてしまいます。
因みにスターリンの支持者であった中国の「毛沢東」も北朝鮮を支持しました。
韓国側には戦車が1台もなかったらしいね。……戦車の単位って台でいいのか?
それにしても追い込まれ過ぎな気が…。
インチョン上陸分断作戦
当然の如く介入してきたアメリカだったが、戦後軍事に力を入れていなかったがために最初は後退を余儀なくされる。
しかしマッカーサー元帥率いる海兵部隊がインチョンに上陸したことで、北と南の北朝鮮軍を完全に分断することに成功する。
補給路を断たれた南側北朝鮮軍は大敗し、韓国軍は前線を押し戻す。
さらにその勢いのままに快進撃を続けると、今度は逆に北側の端まで北朝鮮軍を追い込んだ。
超逆転じゃん!……てか絵がきたねぇな。
中国の志願兵(あくまで国は指示していません)
北朝鮮が滅亡しそうになった時、ついに中国が動きます。
なんと北朝鮮を愛する中国の「志願兵(約40万人)」が勝手に韓国軍に攻撃を始めました。
40万人も志願兵がいるはずねぇだろ!
正規軍が動くとアメリカと全面戦争になっちゃうから言い訳のために志願兵ってことにしたんだよ。
……まぁ志願兵が命を捨てて地雷原に突っ込んでいくとかありえないけどね。
あまりの大軍勢に再び押し戻された韓国軍はソウルを奪還されてしまいます。
しかし、アメリカが意地を見せて奪還し返すと、戦線は現在の国境付近で膠着。
ついに休戦協定の運びとなります。
朝鮮戦争は冷戦時代初の大規模戦争
- アメリカとソ連が日本の領土を分割する形で南北に分けられた。
- 北朝鮮はソ連の後ろ盾の下で創られた傀儡政権。
- バッファーゾーンと共産主義陣営の強化と海へのアクセスを得たいソ連。
- アメリカの不後退防衛線の意味をはき違えたソ連が北朝鮮に韓国を攻めるよう指示。
- 一時は韓国滅亡の危機となるほど攻め込まれるが、アメリカの作戦によって逆転。
- 北朝鮮が追い詰められたところで中国の志願兵が介入したことにより再逆転。
- 最後は現在の国境付近で戦線が停滞して停戦。
- 結果戦争前と領土は何も変わることなく、犠牲者だけが増えた。
世界大戦が終わった後の冷戦時代。
核戦争が人類に終末をもたらすことを理解していたアメリカとソ連は、お互いに睨み合いをしている状態でした。
その最中で起こった朝鮮戦争。
それは実質「アメリカ対ソ連」でしたが、代理戦争という形を取ったことにより核を用いた全面戦争は回避されました。
しかし、苛烈を極めた朝鮮戦争は「冷戦時代初の熱戦」と呼べる戦争でした。
大国同士の睨み合いによって、苦しくも維持されていた平穏が崩れた瞬間でもありました。
……この戦争でもしも韓国が負けてたら日本まで攻めて来てたかな?
流石に日本まで攻めてくることはなかったと思うよ。
ただし前線が日本になることは間違いないから、日本とアメリカの軍事力強化は必至だっただろうね。
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