行動経済学を知っているでしょうか?
本記事では、初心者でもわかりやすいように「行動経済学とは何か?学んで意味があるのか?」について紹介していきます。
「名前くらいしか聞いたことがない。」という方は、是非とも読んでいってください。
行動経済学は社会に生きる全ての人にとって必要な学問です!
人の心=行動=経済
行動経済学とは、心の動きから人の意志決定のプロセスと結果を分析する学問です。
対象範囲は「個人、企業、国」などとなっており、個人単位でも民衆単位でも取り扱います。
〇リンゴが食べたい ⇒ 食べる
〇眠たい ⇒ 眠る
といったように人の行動は心から生まれるということはわかると思います。
経済とは人々が行動した結果が反映される場であるため、心を考えるということは経済を考えることに繋がるということです。
行動経済学=経済学+心理学
行動経済学の背景には「心理学」が存在します。
心が動くと行動に現れるのであれば、
「心は如何にして動くのか?」を考えることも必要だからです。
人の経験やこだわりからくる感情の変化や外部からの刺激によって心は揺れ動かされるとされています。
※心理学については別記事にて今後詳しく紹介する予定です。
因みに、おすすめの心理学者は「ポール・エクマン」です。
従来の経済学との比較
長年信じられてきた経済学ではなく、なぜ行動経済学なのか?
その理由は明確になっています。
例として、
「1か月後に5キロやせる!」という目標を掲げた人物を
経済学と行動経済学の両方で分析してみましょう。
〇経済学の分析。
この人物は1か月後に5キロやせる必要がある。
つまりこの人はこれから1か月の間、運動を欠かさず行い食事制限も気にかけて、定期的に体重計にて進捗を確認するだろう。
つまりこの人は「確実に目標を達成する」
〇行動経済学の分析。
5キロやせなければならない目標はあるものの、この人物は甘いものが大好きで特にケーキに目がない。
食べてはいけないということは本人もわかっているが、今まで食事制限などしたことがない人間が自制するのは不可能だろう。
つまりこの人は「生活習慣を多少は改善できるかもしれないが、目標を達成できる可能性は低い」
以上のようになる。
要するに経済学は「人は100%利益のために行動する」という考え方であるのに対し、
行動経済学は「人は利益を欲するが、それ以上に衝動的な感情に抗うことはできない」と考えているということだ。
例えそれが間違いなく自分のためになることであると認識できていたとしても、実行できるか否かは感情次第ってことだね。
経済学は長期、行動経済学は短期の未来予測
「人間は常に合理的に行動する」と考えられていた従来の経済学。
しかし上でも述べたように人の行動が感情で左右される以上、細かな分析には向きません。
例えば株価の短期的な乱高下などは、市場の不安が人の感情を左右させた結果です。
全人類が本当に合理的に動いたならば、株価は永遠に上がり続けることになります。
もちろんそんなことはあり得ないため、多くの投資家たちが四苦八苦しているわけです。
しかし、「なら完全に行動経済学の方がいいじゃないか!」と思ったのなら少々早計です。
従来の経済学の方が優れている面も確かに存在します。
それは「遠い未来の予測は経済学の方が正しい」という点です。
また株の例を持ち出すと、短期的な面で見れば乱高下する株ですが、
20年30年といった長期でみれば確実に上がっているのがわかるかと思います。
すなわち人は「遠い未来に対しては合理的に行動する」ということになります。
〇経済学は遠い未来を予測する
〇行動経済学は近い未来を予測する
上記のように使い分けることが大切です。
長期で見た投資信託やETFは経済学の観点から。個別株短期投資は行動経済学の観点からの分析が必要になるね。
行動経済学は未来を予測する学問
- 行動経済学とは人の感情から経済を考える
- 根幹にあるのは心理学
- 経済学は遠い未来を予測する
- 行動経済学は近い未来を予測する
「短期での未来予測」に役立つ経済学はあらゆる可能性を秘めています。
「こういった刺激を与えられると、人はどういった反応を見せるだろうか?」これがわかれば、日常でも役立つ場面は大いにあります。
顧客を得たい営業マンや新商品を開発しようとする企画担当者、投資家に必要な市場リサーチと、使える範囲は無限大です。
最大の利点をあげるなら「あ!今自分は理屈に合わない行動をしているな!」と自己認識できるようになる点でしょう。
詐欺や衝動買いなどに直面した時、自分自身を守ることができる最大の防衛手段になります。自制心が目標への近道になることは間違いありません。
行動経済学については今後も記事にしていく予定です。
次に取り上げる時はもう少し具体的な中身についてご紹介します。
シャーロックホームズは行動経済学の天才だったのかもしれない……。
※以下は初心者にもわかりやすい行動経済学のおすすめ本です!
「行動経済学見るだけノート」
コメント