偉人変人紹介?④世界大戦時代の軍隊に所属していた熊!?「ヴォイテク」

偉人変人
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エージェントたま
エージェントたま

北海道の樋熊増加か…。獣害事件が起きないといいが。

ちーバニー
ちーバニー

ヘイヘイたまちゃん!熊の写真なんて見てどうしたの?シロクマに食べられそうになった時の事思い出して震えてんの?

エージェントたま
エージェントたま

……ガクガクブルブルガクブル!

ちーバニー
ちーバニー

あっ本気で怖がっちゃった!ごめんごめん軽いジョークのつもりだったんだよ!

エージェントたま
エージェントたま

クマ…こわい…ぼく…食べられる…。

ちーバニー
ちーバニー

あらら…ダメだこりゃ。

そうだ!こういう時こそ得意の知識だよ!やさしい熊さんの話とか知らないの?

ちょっと前の「三毛別樋熊事件」みたいなのじゃなくてさ!

エージェントたま
エージェントたま

やさしい…クマ…そんなの…ぼく………知ってる…。

ちーバニー
ちーバニー

知ってるの?良かった良かった!なら教えてよ!興味あるな~!|д゚)

エージェントたま
エージェントたま

でもぼく…ぼく…ぼくって………ヴぉくって…ヴぉくてく…ヴぉいてく……

今日はポーランドの軍熊「ヴォイテク」の話をしよう!

ちーバニー
ちーバニー

……急に立ち直るやん…。

ここがスゴイ①第二次世界大戦中にポーランド陸軍に預けられた熊

1942年。イランのハマダーン
一人の少年が親を亡くしたシリアヒグマの赤子を保護した。

猟師によって母親を失った生後3か月の子熊だ。

その後少年は熊をポーランド人難民へと渡し、ポーランド人難民はさらに軍へと引き渡した。

○ポーランド陸軍

熊の預けられた先はポーランド陸軍だった。
ポーランド軍は当初イギリス軍と合流するためにエジプトを目指しており、その最中で出会った難民たちが連れていた子熊に興味を持ったのだ。

与えられた名前は「ヴォイテク」
意味は「戦人とか兵」といった思いが込められている。
当時のポーランドでは一般的な男性名氏であった。

ヴォイテクが軍に保護された当初、ヴォイテクの年齢は生後3ヶ月ほどであった。
熊とは獰猛で恐ろしい生き物ではあるが、ぬいぐるみのモデルにもなるほど愛くるしい姿をしており、子供の熊ともなれば愛嬌100倍の力がある。

兵士たちは薄めたミルクをウォッカ瓶に入れて飲ませるなどして、ヴォイテクを育てた。

ポーランド軍の軍人たちはヴォイテクを大層可愛がり、1年立つ頃には完全に軍のマスコットキャラになっていた。

ちーバニー
ちーバニー

ぷーさん。リラックマ。テディベア。……色んなキャラクターのモデルになっているだけあって、見た目は可愛いよね!子熊なら尚更!

ここがスゴイ②人を仲間と認識し、心を通わせていた

引用元:Wikipedia

〇豊かな感情表現

スクスクと育ったヴォイテクが1歳になると、兵士たちと完全に心を通わせるようになっていた。

  • 敬礼を覚える
  • 一人になるとかまってほしくて鳴く
  • 兵士たちとレスリングをする
  • 叱られると、目を前足で隠す
  • お酒大好き
  • 兵士たちに添い寝するのが好き

レスリングともなれば人間が熊に勝つことなどできるはずもないのだが、
ヴォイテクは「わざと勝たせてあげる」などの人間味のある行動を繰り返していた。

さらに奇妙なことにお酒が大好きになっていたヴォイテク。
これは幼少期からウォッカ瓶に入れたミルクを与え続けたことが影響しているようだが、ご褒美にビールを貰うなどしていたようだ。

エージェントたま
エージェントたま

甘えん坊なヴォイテクは、大きくなっても兵士たちの寝床し忍び込んで、朝起きた兵士たちを驚かせていたそうだ。

ちーバニー
ちーバニー

戦場で戦う兵士たちにとって、ヴォイテクは癒しだっただろうね。

ここがスゴイ③軍人としての階級を持っている

〇スパイを捕まえるヴォイテク

ヴォイテクは水浴びが好きだった。
ある夏、いつものようにシャワー小屋で身体を洗おうとしたヴォイテクは、中に潜んでいたアラブ人のスパイを発見した。

エージェントたま
エージェントたま

ヴォイテクを一目見たスパイは驚きのあまり悲鳴を上げてしまい、すぐさま駆け付けた兵士たちによって取り押さえられたそうだ。

ちーバニー
ちーバニー

……いやまず、熊がシャワーの存在を認識して使用していたことが驚きだわ。

個の手柄でヴォイテクは、功績としてビール2瓶を貰っている。

エージェントたま
エージェントたま

因みにヴォイテクは「タバコ」も好きで、よく兵士たちに貰って食べていたそうだ。何故か火のついたタバコしか食べなかったとか。

ちーバニー
ちーバニー

「吹かす」じゃなくて、「食べる」なんだね。

〇ポーランド第二軍団第二十二弾薬補給中隊

1944年。ヴォイテクを飼っていた中隊がイタリアの前線へ配置されることとなった。

移動は輸送船になるのだが、なんと輸送船では「動物を運ぶことが禁止」されていた。

しかし「ヴォイテクを置いていくことなんてできない!」となった兵士たちは、ある作戦を計画する。
それは「ヴォイテクを正式に軍に入隊させ、兵士として輸送船に乗せよう」というものだった。

ヴワディスワフ・アンデルス中将は、ヴォイテクに「伍長の階級」「軍籍番号」「軍籍手帳」を作成し、反論の余地を挟ませない態勢でヴォイテクを見事移動させた。

エージェントたま
エージェントたま

「個性的で毛深いが奴だが、良い奴だ」というような紹介をして、イギリス軍を驚かせたそうだ。

ちーバニー
ちーバニー

皆ノリがいいね!あの手この手じゃん!

エージェントたま
エージェントたま

因みに給料も支給されるようになったから、それで大好きなビールやらを買っていたらしい。

ちーバニー
ちーバニー

熊が給料…だと。

ここがスゴイ④モンテカッシーノの戦い

〇補給のプロヴォイテク

弾薬補給中隊所属のヴォイテクは、階級に違わない仕事ぶりを発揮した。

兵士たちが弾薬を運ぶ姿を見たヴォイテクは、なんと自ら率先して弾薬を運び始めたのだ。

当然の如く、熊の腕力は人間の比ではない。
通常であれば屈強な兵士4,5人がかりで運ぶ大荷物も、ヴォイテクにかかれば何ということはなかった

エージェントたま
エージェントたま

日常的に仕事を任せるようにしたら、積極的に「空箱」ばかりを運ぼうとしたりと、人間のような怠け癖を発揮したそうだ。

ちーバニー
ちーバニー

その気持ちめっちゃわかるけど、熊でもそんな風に思えるんだ!?

エージェントたま
エージェントたま

(……お前だってウサギだろ…。)

〇モンテカッシーノの戦い

初めて最前線で仕事をすることになったヴォイテク。

戦場では当然のように弾丸が飛び交い爆音が響いていたが、自身の名前に違わず勇敢なヴォイテクは、近くの木に登るなどして爆撃を眺めたりもしていたそうだ。
本来、動物は火を怖がるものだが、兵士たちと寝食を共にしてきたヴォイテクには、同じく兵士の心が宿っていたのかもしれない。

そしてヴォイテクは自身に任された弾丸運びも確実に遂行した。

この手柄が称えられ、第22弾薬補給中隊の部隊章は「弾丸を運ぶ熊」のデザインに変更されることになった。

砲弾を襲ぐボイテクをかたどった22輸送中隊の部隊章
引用元:Wikipedia
ちーバニー
ちーバニー

オッシャレー!!!

ここがスゴイ⑤絵本になったヴォイテクの物語

〇ソ連の支配

1945年。
ポーランドはソ連によって支配されてしまう。

大戦中にイギリス側についていた兵士たちはソ連の敵である「自由主義(西側諸国)陣営」とみなされてしまい、帰国することができなくなってしまった。

仕方なく、ヴォイテク含む3000人の兵士たちは、スコットランドのバーウィックシャーに亡命した。

亡命先でもヴォイテクは人気者となった。
地元の舞踏会やコンサートに参加し、子供達のパーティーにサプライズで出席したり、子供を背中に乗せて遊んであげたりなど、絵本のような現実を披露した。

後にスコットランドポーランド文化協会の名誉会員にも選ばれることになる。

ちーバニー
ちーバニー

……金太郎?

エージェントたま
エージェントたま

もっとメルヘンチックな例えはなかったのかよ……。

ここがスゴイ⑥政治的に影響を与えたヴォイテクの最後

〇エディンバラ動物園

1947年11月。
動員解除によりキャンプ地は解散することとなった。

兵士たちはポーランドへと帰国することとなったが、ヴォイテクはスコットランドの「エディンバラ動物園」へと入園することとなった。

兵士たちは勿論ヴォイテクを連れて帰りたかったが、「国民的人気のあるヴォイテクが帰国することで、国民が反乱の意志を芽生えさせてしまうかもしれない」というソ連の思惑によって不可能となってしまった。

エージェントたま
エージェントたま

「ヴォイテクには政治的思想はない」という声も多数上がったが、受け入れられることはなかったそうだ。

そりゃあ、あるわけないよね。

動物園に入ったヴォイテクだったが、同族の熊とはなじむことができず孤独な日々を過ごした。
時折、ポーランド語を話す人間が現れると興味を示したことから、ヴォイテクは言語を認識していたと推測できる。

また、かつての戦友であった兵士たちが訪れた時には、ヴォイテクは大喜びしてゲージの中でレスリングを楽しんだそうだ。

ちーバニー
ちーバニー

他のお客さんから見ても面白い光景だね!ちょっとヒヤヒヤしそうだけど……。

エージェントたま
エージェントたま

他にも兵士たちが演奏するヴァイオリンを聞いて踊ったりと、多芸なヴォイテクの人気は相当なものだったそうだ。

〇22年の生涯

1963年。
ヴォイテクはその生涯を閉じた。

リウマチという病気を患ったヴォイテクは、毎日のように痛みに苦しむこととなった。
ヴォイテクの病を治療する手段はなく、最後は「銃殺」することによって安楽死させた。

奇跡のような本当の話

エージェントたま
エージェントたま

以上がヴォイテクの生き様だ。

曲を聞いて踊ったり、子供を背中に乗せて楽しませた彼の話は、絵本となって今も語り継がれている。

ちーバニー
ちーバニー

最後は銃殺による安楽死か……。熊を楽に殺せる手段なんて他になかったんだろうね……。ちょっと悲しい結末だね。

エージェントたま
エージェントたま

そうだね。結局ヴォイテクはポーランドへ行くことはできず、最愛の兵士たちとは離れ離れのまま逝ってしまったわけだからね。

でも人の一生が幸福だったか不幸だったか決めるのは、その人自身だ。

人ではないかもしれないけれど、ヴォイテクの幸福は彼だけの物なのさ。

ちーバニー
ちーバニー

深いこと言うじゃんか。でもそうだね。本当だったら母熊と一緒に死んでいたかもしれないわけだしね。

少なくとも、ポーランド軍の兵士たちと家族のような暮らしができたことは、ヴォイテクだって後悔していないはずだもの!

エージェントたま
エージェントたま

最後にこれは私の感想だけれど、「環境で変わるのは人も動物も一緒」だと思ったよ。

生まれた時の遺伝子ってのは勿論あるだろうけれど、それ以上に周囲の環境が思考や心に作用する力の方が強いのだと改めて感じたわけだ。

なにせ熊が人のような生活ができるようになってしまったわけだから。

ちーバニー
ちーバニー

確かにそう考えると、「子供の前では悪さできない」って思うよね。

自分の間違った行動一つで、将来の子供の思想そのものに影響を与えてしまうかもしれないわけだから。

エージェントたま
エージェントたま

まぁ。なにが正しくてなにが間違っているかはわからないけどね。

でも子供に無理強いしたり、散らかった環境や汚い言葉遣いの中で育てると確実に影響はあるだろうね。

長くなるからこの辺りで終わるけど、ヴォイテクの話は今を生きる私たちの「教訓」にもなるのは間違いないと思うよ。

ちーバニー
ちーバニー

はえー!気を付けます。

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