お、おお!うおぉぉぉ!
どうしたのたまちゃん!?お腹でも痛くなったの?
違う!そうじゃない!
これを読んでいたのさ。
V・エイヴヤード 著
レッド・クイーン
田内志文(訳)
レッドクイーンは世界25ヶ国で刊行されている小説で、 NYタイムズのベストセラー第1位に輝いた超々名著だ!
へぇ。小説か。この表紙の女の子が主人公?
めっちゃカッコいいよね!
……。(たまちゃんて結構厨二臭いところあるよな)
でも今日はいつも話している歴史やら世界情勢やらお金やらとは違うんだね。
物語なら興味あるかも。
何を言う!
確かに僕は情勢や金融の本を読むようにしているし、投資や副業も実際にしてはいるけれど、それは時代に取り残されないための手段としてだ。
私の本当の目的は自筆の小説を世に出すことなのさ!
へー。たまちゃん小説家になりたいんだ!知らなかったよ。
…前にも言った気がするけどね。
でもまぁ昨今小説は売れなくなってきているからね…。そうだ!
なら今日はより多くの方々に興味を持ってもらえるよう、『レッド・クイーン』を紹介しよう。
※ネタバレは極力気をつけますが、序盤のあらすじなどは説明しますのでご注意ください。
ここがスゴイ①奴隷の少女が王女に転身!
〇人種差別ならぬ血液差別
レッド・クイーンの世界には2つの人種が存在する。
・1つ目は「シルバー」
銀色の血液と青白い肌を持った上級人種。
一人一人が特殊な才能を持っており、それぞれに固有の能力がある。
例:炎を操る能力
磁石を操る能力
・2つめは「レッド」
赤い血液と赤茶色の髪色を持った下級人種。
シルバーのような特殊能力は持たず、世界各国で奴隷として扱われている。
主人公の少女「メア」(レッド)の暮らす王都では、シルバーの暮らす区画とレッドの暮らす区画が分けられていた。(まるでスラム街のような場所に押し込められているレッドたち)
レッドたちの暮らしは貧しく卑しいものであり、メアも友人も「スリ」などの能力には長けていた。
〇レッドにしてシルバー
しかし、メアだけは他のレッドとは違った。
メアは、レッドにもかかわらず「雷を生み出し操る力」を秘めていた。
レッドの中に稀に生まれる奇跡。
レッドにしてシルバーを上回る力を持った存在がメアだった。
しかしこれは「シルバー」からしたら災いにしかならない。
レッドに「力」があることが知れ渡ってしまえば、シルバーの地位が揺るぎかねないからだ。
しかしメアはとある事件に巻き込まれ、シルバーたちの集う会場で力を発揮してしまう。
メアを殺すことを考えたシルバーの王族だったが、既に大衆に見られてしまったがために、殺すのは寧ろ認めているのも同じ。
苦肉の策として王族がとった手段は、『戦場で死んだかつての英雄とレッドの間にできた娘』としてメアを王子の嫁に迎えることだった。
メアが純粋なレッドであることが知られれば、メアはシルバーたちに殺される。
しかし、それを隠した王族たちもただでは済まないし、レッドたちがそれを知ればクーデターが起きる可能性もあった。
こうしてメアは自身の身をシルバーたちから守るために、そのシルバーたちの頂点である王族に庇護されることとなる。
なんだよなんだよ!いきなりワクワクする展開じゃんか!
シルバーの能力は「ヒロアカ」っぽいと思ったけど、一筋縄じゃいかない感じがするぞ!
「奴隷からの成り上がり」や「実は力を秘めている」というのは物語の定番だ。
だけどこの物語のスゴイところはそれを駆使した人々の騙し合いによる群像劇なんだよ。
ここがスゴイ②誰が敵で誰が味方かわからない
物語の中には「スカーレット・ガード」という名の反乱軍が存在する。
その名の通りレッドの自由のために戦うレッドの集団だ。
このブログ記事のタイトルにもなっている『朝日のように赤々(レッド)と』はこの集団の言葉だ。
メアはこのスカーレット・ガードに味方する。
味方するのだが、個々人の思惑とはそんなに簡単なものではない。
シルバーは敵。レッドは味方。
こんな言葉で全てを分けられればどれだけ楽な事だろう。
しかし実際にはシルバーの中でも利権争いがあったり、レッドの中でも思想の違いがあるなどで、時と場合によってはシルバーがスカーレット・ガードの反乱を支援するケースや逆も出てくる。
この辺りは具体例を挙げなければ伝わり辛いと思うのだが、これを話してしまっては完全にネタバレになってしまう。
兎にも角にもこの物語は、主人公のメアがあらゆる人々の強欲の中心で足掻き、生きるための活路を見出す話だ。
ちょっと難しそうだぞ…。
内容もめちゃめちゃ疑心暗鬼になりそうだし。
確かに簡単な本ではないよ。
でもだからこそ謎が謎を呼び、より深みにハマってのめり込んでいくようになる。
本に慣れてきたら読んでみて!
私が子供の頃は児童文庫が主流だった。
「ハリーポッター」やら「バーティミアス」やら「ドラゴンラージャ」やらとのめり込んだものだ。
また、最近ではラノベと呼ばれるジャンルが学生の間で流行っている。
「幼女戦記」や「オーバーロード」など、アニメ化される作品も多数ある。
しかし人の感性は歳を追うごとに変化していく物だ。
中学生時点では楽しいと感じていた感覚も、高校、大学と進むにつれて失われていくかもしれない。
そんな時、多くの人は小説を読むこと自体をやめてしまう。
「昔は好きだったんだけどね…」よく耳にするフレーズだ。
だが待って欲しい。
もしも小説を読んでつまらないと思ったならば、それはあなたの感性が変化した証かもしれない。
小説がつまらなくなったと決めつけるには時期尚早だ。
だからこそ、そんな時は別のジャンルやより高度で難解な作品に手を伸ばしてみることをおススメする。
勿論難しすぎる本を読んでもつまらないと思うが、その時の自分に合う難易度でかつ面白いと思える一冊がきっとあるはずだ。
本はいいぞ~小説はおもしろいぞ~!
以上、レッド・クイーンの紹介でした。
わーっ!パチパチパチ!
どうだい?ちょっとは興味出てきたかい?
いいねいいね!小説ってあんまり読んだことなかったけど、レッドクイーンは読んでみたくなったよ!
そう思ってくれたなら良かった。
ぼくが紹介したことで、この名作に泥を塗りたくはないからね。
でもさ、ネットでよく「私は年に100冊以上必ず読みます!」とか「それくらい読めないでどうするの?」みたいな書き込みを見つけちゃうんだよ。
そういうの見ると寧ろ読む気が失せるというかなんというか……。
ああ…。確かにあるね。
書き上げた小説を投稿しようと新人賞を調べたりしていると特に目にするよ。
まぁそりゃあ本人たちにも「自分はこれだけやっている」っていう自負があるんだろうけど、読者を遠ざけるようなこと言ってどうするのかと思うよ。
そうなんだよ!確かに読んでいることは凄いと思うけど、それを他人へのマウントのために使うやつにはうんざりするんだ。
ぼくが思うに、本は個人のペースで読めばいいと思うよ。
何故なら年間100冊本を読んでいる人と1冊しか読んでいない人を比べたら、1冊しか読んでいない人は100冊読む人よりも99冊分別のことに時間をつかえるんだから。
本は確かに知識をくれるけど、実践しなければ何にもならない。
それにゲームや漫画、動画や他人との会話の中にも情報や隠れているし、それで得られる能力もある。
最近ではボーっとしていることですら「発想」するには良いと聞くしね。
はえー。たまちゃん今日はなんだかカッコいいね!
そっかー。学びは何からでも得られるのかー。
将来の自分が何になりたいかによって選択は変わると思うけどね。勿論本を沢山読むことだってプラスになるよ。
ぼくは月に2~3冊くらいの本を読むけど、これくらいの時間配分が生活リズムに合っているからさ。純粋に本が好きっていうのもあるけどね。
ほー。
そういえばたまちゃん、さっき小説の応募してるって言ってたよね?
新人賞へは2年前から応募しているよ。
今年は新潮社さんの「日本ファンタジーノベル大賞」に応募しようかと思ってる。
もしも賞金ゲットしたら世界一周旅行奢ってね!
そんなに出せるわけないだろ!
…焼肉くらいは奢ってあげるけどさ。
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