会話。それは社会に生きる人間の永遠の課題。
- 取引先の人との会話が続かない。
- 初対面の相手との話し方がわからない。
- 沈黙が気まずいし、気を使うのも苦手
会社、学校、クラブ、時には旅先ですら必要になる会話力には、上記のような悩みを抱いている方が多い事だろう。
今回はそんなあなたにこそ一読してもらいたい一冊を紹介しようと思う。
超雑談力 人付き合いがラクになる。誰とでも信頼関係が築ける。
ここがスゴイ①実用的かつ万能
この本の最初に簡単な10問テストがある。
何点以上ならあなたの会話は一般レベル、何点以上なら天才レベル。というようなものだ。
別にそれで会話力が明確にわかるという訳ではないが、今後に続く本文の内容に沿った問題となっているため、これだけでもなかなかに興味深いものとなっている。
そうして本文に入っていくのだが、この本が会話に置いて大事にしているところは「会話の着眼点」についてである。
大丈夫だ。安心してくれ。なにも相手の変化にいち早く気づかなければならないわけではない。
勿論気づけることに越したことはないが、本書で紹介しているのはそんな瞬発的なことではなく、どんな相手と話す時でも同じように使うことのできる、共通した方法についてだ。
1+1の答えを出すためには「計算式」が必要だろう?逆に計算式さえあれば2+2だろうが100+2000だろうが解くことができる。
本書に記載されている内容はまさにその式の部分に当たる。
以下は本書の一例である。
ダメな例:趣味は何ですか?と尋ねる。
良い例:最近ハマっているものありますか?と尋ねる。
上記の理由は質問の手軽さにある。
趣味とは定番の文句であり一見無難な質問に見えるのだが、これには大きな落とし穴があると本書は説いている。
その理由は趣味がその人を構成する大切な要素であるからだとある。
そしてそんな大切な事であるが故に「この人にはどの程度まで話して良いだろうか?」「これが好きだと言ったら相手はどんな印象を受けるだろうか?」「浅い人間だと思われないだろうか?」などと考え込んでしまうかもしれないと言うのだ。
確かに自分に置き換えて考えてみれば、赤の他人に自分の趣味を知ってほしいなどとは思わないことだろう。
そこで登場する聞き方が「ハマっているものありますか?」だ。
ハマっているもの。
趣味という程ではなく最近なんとなく気になっているもの。
ここ2,3日だけ興味を持ったもの。
……と、趣味と比べて随分気軽な質問に変化する。
「ハマっているもの」とはあくまで一時的な物であり、趣味と違って自分の根幹を揺るがすような物では決してない。例え共感されずとも、ダメージを負うことなどないのだから。
そしてこれは逆でも言えることで、相手に「趣味は何ですか?」と質問された時は本気で答える必要はない。
相手だって会話のきっかけのために聞いているだけなのだから、「最近お好み焼きをよく食べますね。」とか「来週あたり映画に行こうと思ってます。」とか言えば十分だ。
とこんな具合である。正確にはもう少し長い説明があるのだが、ここでは要約して説明させていただいた。
とにかくこの方法ならば話している相手が誰であれ、流れを崩すことなく会話を持続することができるだろう。
ここがスゴイ②マジで読みやすい
読みやすい。
三千世界で一等賞をあげてもいい。
上記でもある通り、本書は最初に「良い例と悪い例」を紹介し、その後に説明を載せている。
しかもその説明は短くまとめられており、2,3ページと本嫌いでも簡単だ。
重要な場所は赤字で記載され、ブログ記事のように細かく行を開けて書かれている本書は、絵も使われつつ206ページと少量だ。
マンガ感覚で読み進められるし、読み返すのにも時間はかからず、尚且つ実用的。
全部で43というポイントが紹介されており、本に慣れている人間ならば15分程で読み終えることもできることだろう。
※玄人向けではない。
但し一つだけ注意しておきたいこともある。
本書は会話が苦手な者にもわかりやすく説明することを心掛けている。
そのため既に会話が得意で、さらに交渉術を上達させたいなどと考えている者には物足りない部分がある。
なに?残念だって?安心してくれ。そういった本もまたいつか紹介する予定だ。
会話が苦手なわけではなく、人一倍考えてしまうだけ
最後に会話が苦手だと考えている方に対する私の考えを述べさせてもらうとしよう。
一般的に会話が得意な者を「陽キャ」苦手な者を「陰キャ」などと呼んだりする。
正確にはそういうわけではないが、ここの括りは曖昧であるためこの場では「陰キャ=コミュニケーションが苦手な人」とさせてほしい。
まず俗に「陰キャ」と呼ばれる彼らは、「人一倍考える性格」であると言える。
「自分がこの言動をしたら相手はどう思うだろうか?」
「自分がこれを好きな理由は一言では語りつくせない程に複合的な理由があるから、それをできるだけ伝わりやすく説明するにはどうすればいいだろうか?」
などと考えてしまうのだ。
故に他者よりも回答が遅れてしまったり、答えを急ぐあまり声がもぞもぞとなってしまったりするのだろう。
だからこそ知っておいて欲しいのは、人がコミュニケーションを取るうえで「必ずしも深い話をしなければならないわけではない。」ということだ。
陽キャの会話を聞いて「頭悪そう」とか思った陰キャ諸君もいるだろう。
しかしあれは人との仲が気軽なコミュニケーションのみで成り立つことの証明であり、彼らの雑談力という才能の一つでもあるのだ。
勿論、言葉をじっくり考えることが重要な場合があるのは事実。
要は使いわけが重要なのだが、基本的な日常会話において「仲良くなる」ことを目的とした場合、深い考えは邪魔になることが大半だということだ。
といったところで超雑談力のまとめだが、本書はそんな「そうはいっても気軽な会話がわからないよ」という君へ解答を示してくれる一冊だ。
最初にも述べたが本書内容は「式」だ。何度か読んで実践すれば、気軽な思考を意図的に作り出すこともできるようになるだろう。
紹介は以上だ。
毎度のことだが読者諸君には感謝している。また会おう。
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